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マラカイト

 宝石の内「マラカイト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

マラカイトの組成

マラカイトの外観写真
  • 分類:炭酸塩鉱物
  • 組成:Cu2(CO3)(OH)2
  • 結晶系:単斜晶系
  • 色:緑
  • 光沢:金剛光沢
  • モース硬度:3.5-4
  • 比重:4.1
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マラカイトの特徴

 マラカイト(和名は孔雀石-くじゃくせき)は緑色をした銅の二次鉱物の一種です。
 銅製品にできる青緑色をしたサビの主成分と同じで、皮膜状、粉状、微結晶の集合体といった形態で産出します。多くは、銅鉱床内の銅鉱石が、大気中の二酸化炭素や地下水の作用によって風化することで形成されます。
 鮮やかな青色で有名なアズライトと構成成分が極めて似ており、同じ場所で集合体として見つかることも少なくありません。

マラカイトの語源

 マラカイトの名は、ギリシア語で「アオイのような緑」を意味する「molochitis lithos」に由来しています。これは、マラカイトの持つ色が、アオイ(アオイ科ゼニアオイ属の総称)の葉の色に酷似していたからです。
 また、マラカイトの和名である「孔雀石」は微小な結晶が織り成す石表面の縞模様が、まるで孔雀の羽のように見えるところから付けられました。

マラカイトの使途

Linda Hall Libraryにある、「Tazza」と呼ばれる北アメリカ最大のマラカイト  マラカイトはその特徴的な緑色と程よい耐光性から、古代より緑色の顔料(「岩緑青」、「マウンテングリーン」などの岩絵の具)として用いられてきました。人工顔料であるバーディター(verditer)などが1800年に入ってからその役割を奪うまでは、緑を表現する重要な絵の具だったのです。
 その他、銅の炎色反応を利用して、花火の発色剤としても利用されますが、美しいものは研磨されてアクセサリーなどの宝飾に用いられることもあります。代表例としては、巨大なマラカイト製花瓶で有名なエルミタージュ宮(ロシア・サンクトペテルブルグ)の「マラカイト・ルーム」、リンダホール図書館(アメリカ・ミズーリ州)の中央に鎮座する、ロシア皇帝ニコラス二世より贈られた「Tazza」と呼ばれる北アメリカ最大のマラカイトなどです。

マラカイトの産地

 マラカイトの主な産地は、ロシアのウラル地方、コンゴ共和国、ザンビア、ナミビア(ツメブ)、メキシコ、フランス、アメリカのアリゾナ州などです。特にウラルでは建築建材に利用できるほど大きな孔雀石を産出することもあります。
 また、イスラエルの巨大銅鉱脈として有名なティムナ・バレー(Timna valley)では、マラカイトが大々的に採掘されており、およそ3000年前から現在に至るまで、溶解・製錬され続けています。
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マラカイトの動画

 以下でご紹介するのはマラカイトの原石動画です。前者はコンゴ産/ジャングルグリーン/スライスカット、後者はコンゴ産/ブロックです。
元動画は⇒こちら
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