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アズライト

 宝石の内「アズライト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

アズライトの組成

アズライトの外観写真
  • 分類:炭酸塩鉱物
  • 組成:Cu3(CO3)2(OH)2
  • 結晶系:単斜晶系
  • 色:青
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:3.5-4
  • 比重:3.8
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アズライトの特徴

 アズライト(藍銅鉱/らんどうこう)は銅の代表的な二次鉱物の1つであり、世界各地の銅鉱床で産出されます。「二次鉱物」とは、既存の鉱物が水や空気と反応して別種に変わったもののことです。同じく銅の二次鉱物であるマラカイト(孔雀石)と共に取り出されることが多い岩石で、アズライトの表面は時間の経過と共に風化してマラカイト (孔雀石)に変化し、色が薄くなります。フランス・リオンにあるシェッシー鉱山でよく取れたことから「Chessylite」(シェシライト)の異名も持ちます。この鉱物は非常に古くから知られており、大プリニウスの「博物誌」(Natural History/AD77)の中では「kaunos」(深い青の意味)という名で登場しています。
 日本においてアズライトは「岩群青」(いわぐんじょう/省略して群青とも/英名はマウンテンブルー)という岩絵具として、古来より青色の顔料として使用されてきました。しかし先述したマラカイト(孔雀石)と混じって採れることが多いため精製が難しく、孔雀石からとれる緑青の10倍の値段で取引されたといいます。油と混ぜて使うとやや緑の色調を帯び、また卵の黄身と混ぜると灰色がかった緑に変化します。また熱を加えると酸化して黒くなるところから、青色顔料のウルトラマリンと区別されますが、ゆっくり加熱すると逆に青色に深みが増すといいます。
 中世の絵画でも青色の顔料として頻繁に用いられていましたが、当初は同じく青色顔料の代表格であるラピスラズリと取り違えられていました。しかし近年の化学的分析結果から、中世絵画で用いられていたのは主としてアフガニスタン辺りから輸入されていたラピスラズリではなく、ヨーロッパ近辺で比較的容易に入手することの出来たアズライトであるという事実が判明しています。
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アズライトの動画

 以下でご紹介するのは、アズライトの動画です。
 アズライトは時に、硫銅鉱(りゅうどうこう=銅と硫黄が交じり合ったもの)の鉱床を示す鉱物として用いられてきました。アズライトとマラカイトが交じり合い、青と緑の印象的な模様を描き出した岩石がある場合、その近くに硫銅鉱床がある可能性を示唆しています。
元動画は⇒こちら
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