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銀について

 銀の特性・歴史・種類などについて解説します。

銀の特徴

 銀とは元素記号「Ag」、原子番号47をもつ金属です。
 光の反射率が高いことから、美しい金属光沢を有し、また1グラムの銀を約2,200mの線に伸ばすことができるほど伸展性に富んでいます。
 貴金属の中では比較的化学的に不安定で、自動車の排ガスや温泉地の硫化水素などの硫黄化合物が空気中に含まれていると、表面に硫化物が生成されて黒く変色します。しかし、逆にこれを「いぶし銀」として愛好する人もいます。
 銀イオンには強い殺菌力があるため、抗菌加工製品などに広く使用されています。また銀は古くから装飾品や宝石、高級食器や家庭用品に用いられており、英語では「silverware」(銀食器)という語も存在します。
 今日では、銅をもしのぐ高い通電性を生かし、コンダクターなどにも利用されます。
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装飾品としての銀

 銀はその美しさから宝飾品として古くから利用されていますが、純度100%の純銀は柔らか過ぎてたやすく破損してしまうため、通常は他の金属と混合して利用されます。
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銀の純度と種類

 貴金属の品位証明を行っている造幣局では、銀の品位区分を1000、950、925、900、800(千分率/1000分の1000がいわゆる純銀)の5種と定めています。
 一方、ジュエリーや宝飾用品に用いられる貴金属の純度を決めているISO9202(国際標準化機構)とJIS H6309(日本工業規格)では、925、835、 800の3種としています。
 銀と混合する他の金属(割り金)を変えることにより、色合いに微妙な調整を加えた銀も存在します。具体的には以下です。
割り金比率と銀の種類
  • Silver1000 (SV1000) いわゆる純銀
  • Silver950 (SV950) ブルタニア(Britannia)、または五分落ちと呼ばれる銀で、銀が95%、残りの5%が銅など他の金属で構成されます。
  • Silver925 (SV925) スターリング(Sterling)と呼ばれる銀で、銀が92.5%、残り7.5%が銅など他の金属で構成されます。スターリングに若干のゲルマニウムを混合したものは「Argentium Sterling silver」とも呼ばれます。これは、通称「ファイアスケール」(firescale)と呼ばれる、銀表面の赤紫色のしみが出にくいように加工したもので、商標登録された名称です。
  • Silver900 (SV900) コインシルバーと呼ばれる銀で、銀が90%、残りの10%が銅など他の金属で構成されます。文字通り硬貨によく用いられ、混合する金属の配合により、ピンクやイエローなどの色を出すこともできます。
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