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ラピスラズリ

 宝石の内「ラピスラズリ」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

ラピスラズリの組成

ラピスラズリの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2
  • 結晶系:等軸晶系
  • 色:青、紫、藍
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:5-5.5
  • 比重:2.4
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ラピスラズリの特徴

 ラピスラズリ (和名は瑠璃-るり or 天藍石-てんらんせき) は、ラズライト(青金石-せいきんせき/lazurite)を主成分(25-40%)とする固溶体の宝石です。固溶体(こようたい)とは、2種類以上の元素が互いに溶け合い、全体が均一の固相となっているものを指します。
 日本ではトルコ石と共に12月、及び9月の誕生石に指定されています。

ラピスラズリの色

 ラピスラズリ特有の濃い青色は、結晶内部に含まれる硫黄のマイナスイオン(S3-)です。
 また、内部に含まれる微量物質によって、色合いに微妙な変化が生まれます。例えば、カルサイトを含む場合は白い筋が入り、パイライトなら黄金色が斑点状に入る、といった具合です。

ラピスラズリの歴史

 ラピスラズリの歴史は非常に古く、王朝が始まる前のエジプト・ナカダ文化時代(Naqada/3300-3100 BC)の遺跡や、新石器時代・メヘルガルメヘルガル遺跡(現在のパキスタン)の埋葬地でも、人工的に加工されたラピスラズリが発見されています。
 多くの場合、研磨を施されて宝石、彫刻、モザイク装飾、花瓶などに加工されました。また、エジプト、シュメール、バビロニアなどの時代から青の顔料として広く利用されており、粉末状にしたものは「ウルトラマリン」としてテンペラ(顔料を卵・にかわ・樹脂などで練った不透明な絵の具)に多く用いられました。なお、顔料としての役割は、19世紀に入り、「フレンチウルトラマリン」(French ultramarine)と呼ばれる人工顔料の登場によって衰退します。

ラピスラズリの語源

 ラピス(lapis)とはラテン語で「石」を意味する「lapis」から来ており、またラズリ(lazuli)とは、 かつてこの鉱物の産地であった土地を表す中世ラテン語の「lazulum」が変化したものです。
 この「lazulum」という地名はそもそもペルシア語の「lazhward」に由来していますが、 この「lazhward」という語は英語の「azure」、フランス語の「azur」、イタリア語の「azzurro」、ポーランド語の「lazur」、そしてスペイン語とポルトガル語の「azul」の共通語源となっており、意味は全て「青色・紺碧」です。

ラピスラズリの産地

 ラピスラズリはアフガニスタン・バダフシャーン州の鉱山で、過去6,000年にわたり採掘され、 古くは古代エジプトやメソポタミア文明にもこの鉱物を提供し続けてきました。
 その他の主な産地はシベリアのバイカル湖、ミャンマーのアンゴラ、パキスタン、カナダ、インド、アメリカのカリフォルニア州、及びコロラド州などです。
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ラピスラズリの動画

 以下でご紹介するのはラピスラズリの動画集です。前者は巨大な5450カラット(1,090グラム)、後者は小粒な21グラムです。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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