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チューライト

 宝石の内「チューライト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

チューライトの組成

チューライトの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
  • 結晶系:斜方晶系
  • 色:ピンク
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5
  • 比重:3.3
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チューライトの特徴

 チューライト(和名は桃簾石-とうれんせき)は、ゾイサイトの中でマンガンを含み桃色に発色したものを指し、時に「ロザリン」(rosaline)と呼ばれることもあります。
 ゾイサイトの中でバナジウムを含み、青~紫色を示すものはタンザナイト(tanzanite)として呼び分けます。
 チューライトにはカルサイト(calcite)が斑点模様として入っているものもあります。
 チューライトの属するゾイサイトと同質異像の関係、すなわち成分は同じでも結晶構造の違う鉱物として「クリノゾイサイト」(clinozoisite/単斜灰簾石-たんしゃかいれんせき)がありますが、マンガンを含むクリノゾイサイトを特にクリノチューライト(clinothulite)と呼びます。若干ややこしいのでまとめると、マンガンを含むゾイサイトが「チューライト」、マンガンを含むクリノゾイサイトが「クリノチューライト」という訳です。
 チューライトは1820年、ノルウェーのテレマルク県(telemark)にあるソーランド(sauland)という地において最初に発見されました。チューライトの名は、ノルウェーの北欧神話に登場するチュール(Thule)に由来しています。
 チューライトの主な産地は、オーストリア(チロル)、北カリフォルニア、西オーストラリアなどで、近年ではアメリカワシントン州・オカノガン郡のリバーサイドという地で上質なチューライトが発見されています。
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