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トルマリン

 宝石の内「トルマリン」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

トルマリンの組成

トルマリンの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:多様
  • 結晶系:三斜晶系
  • 色:多彩
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7-7.5
  • 比重:3.06
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トルマリンの特徴

 トルマリン(和名は電気石-でんきせき)は、ケイ酸塩鉱物のグループ名です。
 成分としてはアルミニウム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、カリウムなどを含み、様々な色彩を呈します。石言葉は「希望」で、10月の誕生石です。

トルマリンの語源

 トルマリンの名はセイロン島の現地語(シンハリ語)でジルコンとトルマリンが混合した石を指す「トルマリ」(thuramali or thoramali)に由来しています。
 和名の「電気石」とは、結晶を熱すると電気を帯びることから命名されました。なお、トルマリンには「マイナスイオンを発生し精神的、肉体的にリラックス、リフレッシュさせる効果がある」、「遠赤外線を放出する」、「有害な電磁波を吸い取る」などという説がありますが、残念ながら科学的な根拠はありません。

トルマリンの産地

 トルマリン(電気石)の主な産地はブラジル、アフリカ(モザンビーク、ナイジェリアなど)、スリランカ 、アメリカなどです。
 スリランカで採掘されたトルマリンは、東インド会社によって初めてヨーロッパにもたらされましたが、当時は黒いトルマリンである「ショール」(schorl)と通常の明るい色をしたトルマリンは、全く別物だと認識されていたようです。

トルマリンの色と種類

 トルマリンは内部に含むイオンの種類によって色が変化します。
 鉄分を含むものは黒~青黒~こげ茶、マグネシウムが豊富なものは茶色~黄色、リチウムが豊富なものは青、緑、赤、オレンジ、黄色など、ほとんど全ての色を含みます。
 二色、および多色を示すトルマリンも珍しくなく、片方がピンクでもう片方が緑だったり、内側がピンクで外側が緑だったりします。緑とピンクが1つの結晶内で合わさったトルマリンは、特に「ウォーターメロン」と呼ばれます。
 内部に含む成分によって分類した場合は、おおむね以下です。
トルマリンの種類
  • ドラバイト(dravite)  ドラバイトとは暗い黄色~茶色がかった黒のトルマリンです。
     ウィーン大学で鉱物学の教授をしていたグスタフ・チェルマーク(Gustav Tschermak/1836-1927)が1884に初めて発表し、この鉱物が発見されたドラバ川(Drava river)にちなんで「ドラバイト」(dravite)と命名されました。発見された地域は、今で言うスロベニアに当たります。
  • ショール(schorl)  ショールとは青みがかった黒~茶色がかった黒~黒色のトルマリンです。自然界に存在する天然のトルマリンの内、およそ95%を占めるほどよく見られます。
     ショールの名は、この鉱物が採掘された「Schorl」という15世紀ごろに存在していた村が由来です。この村は現在、ドイツ・ザクセンにあるのツショルラウ(Zschorlau)村に相当します。
  • エルバイト(elbaite)  エルバイトとはリチウム、アルミニウム、ナトリウムを豊富に含むトルマリンのことです。この鉱物についての研究が盛んに行われた、イタリア・エルバ島(Elba Island)が名前の由来となっています。
     色によって様々な亜種があり、ばら色~ピンクのものは、ルビーにちなんで「ルベライト」(rubellite)と呼ばれ、薄い青~青緑のものは、藍色を表す「インディゴ」にちなんで「インディコライト」(indicolite)と呼ばれます。緑のものは、緑を意味する「verd」から「ベルデライト」(verdelite)と呼ばれ、無色のものはギリシア語で「無色」を意味する語にちなんで「アクローアイト」(achroite)と呼ばれます。
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トルマリンの動画

 以下でご紹介するのはその希少性で知られる通称「ウォーターメロン」(スイカ)と呼ばれるトルマリンの一種です。その名が示すとおり、宝石の外側が緑色で、内側がスイカの果実のようにピンク~赤色を示しています。前者のスペックは12x12x12mm/7.95カラット/アフガニスタン産、後者は23x16x6mm/19カラットです。
元動画は⇒こちら
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