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デマントイド

 宝石の内「デマントイド」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

デマントイドの組成

デマントイドの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:Ca3Fe2Si3O12
  • 結晶系:等軸晶系
  • 色:全色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5-7.5
  • 比重:3.1-4.3
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デマントイドの特徴

 デマントイドは、ガーネットの亜種であるアンドラダイトのうち緑色のものを指します。 ウラリアンエメラルド(Uralian emerald)というフォルスネームで呼ばれることもあります。
 デマントイドは概して小さい宝石で、カットを施されたものなら1カラット(200mg)未満が普通であり、2カラットを超える大きなものは極めてまれです。

デマントイドの産地

 ガーネットは非常に古くから知られていた宝石ですが、その亜種であるデマントイドが最初に発見されたのは1853年、 ロシアの中西部に位置するウラル山脈においてでした。
 類まれなる美しい色と、ダイヤモンドをもしのぐ光の分散度を有するこの宝石は、瞬く間に高値の付く代物となりました。特に、発見されてから1919年頃までは、高名なPeter Carl Faberge氏が宝飾品として扱ったことから、ロシアでは大変な人気を誇っていました。
 近年における大きな発見は、1996年、ナミビアでのもので、デマントイドが発見された鉱山は、この出来事を記念して「グリーンドラゴン鉱山」と呼ばれるようになっています。
 デマントイドの主な産地としては、上記ナミビアのほか、ロシア、イタリア、イラン、アフガニスタンなどが挙げられます。

デマントイドの色と輝き

 デマントイドはその鮮やかな緑色が最大の特徴ですが、実際には黄緑からエメラルドグリーンに至るまで多少の幅があります。
 緑色が濃ければ濃いほど評価は高くなりますが、ファイア(白色光線が分散して虹色に見えること)に関しては薄い緑の方が多く出すという特徴があります。
 分散度は0.057(ダイヤモンドのそれは0.044)と非常に高いため、他の宝石よりもファイアは強く出ます。屈折率は1.80~1.89と高く、これは宝石の中に入った光の多くが、外に逃げるのではなく、宝石内部に跳ね返ることを意味しています。つまり人間の目には光沢や輝き、すなわち「ブリリアンス」(brilliance)として認識されるということです。
 ちなみに、2003年ごろ、ロシア産のデマントイドが、色を鮮やかにするため熱処理を受けているというまことしやかなレポートが流布しましたが、そのような人工処理は、低温で行われるため、後の検査では検出されないようです。

デマントイドのインクルージョン

 ロシア産のデマントイドには通常インクルージョン(内部の含有物)を有しており、それはクリソタイル(白アスベスト)であることがほとんどです。これらのインクルージョンは金色の糸のようなもので、宝石内部でカーブした様子を馬のしっぽになぞらえて「ホーステール」(horse tail)と呼ばれることもあります。
 インクルージョンは多くの場合宝石の価値を下げてしまいますが、上質なホーステールが見られる場合は、逆に宝石の価値は上がります。
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デマントイドの動画

  以下でご紹介するのは、原石、及びルースのデマントイド動画です。
元動画は⇒こちら
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