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カルセドニー

 宝石の内「カルセドニー」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

カルセドニーの組成

カルセドニーの外観写真
  • 分類:酸化鉱物
  • 組成:SiO2
  • 結晶系:三方晶系(低温型)/六方晶系(高温型)
  • 色:無色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7
  • 比重:2.65
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カルセドニーの特徴

 カルセドニー(和名は玉髄-ぎょくずい)とは、クォーツ(石英-せきえい)とモガナイト(moganite)の非常に細かい結晶が網目状に集まり、緻密に固まった鉱物の変種を指し、美しいものは宝石として扱われます。クォーツもモガナイトも共にケイ酸鉱物ですが、クォーツが三方晶系であるのに対し、モガナイトは単斜晶系であるという違いがあります。

古代におけるカルセドニー

 カルセドニー(玉髄)は、古くは青銅器時代より地中海沿岸地域で使用されてきました。
 具体例としては、クレタ文明の中心地として名高いクノッソス宮殿の遺跡において、およそ紀元前1,800年頃のものと思われるカルセドニー製の蝋印が発掘されています。また、紀元1世紀頃・クシャーナ王朝のものと思われるカルセドニー製の上質な発掘物が、アフガニスタン北東部の「Tillya-tepe」という地で発見されています。
 カルセドニーという名は、古代ギリシアの都市「Chalkedon」に由来しているというのが通説です。

近代におけるカルセドニー

 19世紀になると、ドイツ西部ラインラント‐ファルツ州の都市であるイダー‐オバーシュタイン(Idar Oberstein)が、カルセドニー加工の世界的な中心地となります。
 特にアゲート(メノウ)の加工が盛んでしたが、このアゲートは主にブラジルを筆頭とするラテンアメリカから輸入されたものでした。15世紀頃、アゲート採掘が盛んであったことや、船のバラスト(バランスと保つために積み込むおもりのこと)として極めて安価に輸入できたこと、そして安い労働力と卓越した加工技術(着色など)などがあいまって、この都市を世界的な中心地に盛り立てたてたと考えられます。
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カルセドニーの種類

 カルセドニー(玉髄)は、含まれる不純物によって様々な色になり、その色あいによって以下のように呼称が変わります。
カルセドニーの分類
  • アゲート(瑪瑙-めのう)  アゲートとは、石英や蛋白石が縞模様を形成しているものを指します。ファイア・アゲート(fire agate)は茶色の下地を持ち、玉虫色を示します。また、アイリス・アゲート(iris agate)は、類まれな玉虫色を示し、これは特にピンポイントの光が鉱物に当てられたときに顕著になります。ランドスケープ・アゲートは多くの不純物を含むため、あたかも風景画(ランドスケープ)のような外観を呈するアゲートの事です。その他モスアゲート(緑色を帯び、コケのような外観)やオニックス(黒色と白色がきれいに層状になっているもの)もアゲートの亜種です。 アゲート(agate)
  • カーネリアン(紅玉髄-べにぎょくずい)  カーネリアンは、赤色や橙色をしており、網目模様がないものを指します。 カーネリアン(carnelian)
  • クリソプレーズ(緑玉髄-りょくぎょくずい)  クリソプレーズとは、少量のニッケルを含み、全体的に黄緑~深緑の色調を呈するものを指します。 クリソプレーズ(chrysoprase)
  • ジャスパー(碧玉-へきぎょく)  ジャスパーとは、不純物をかなりの量含んでいて不透明なものを指します。色合いに応じてレッドジャスパー(赤碧玉/red jasper)、グリーンジャスパー(緑碧玉/green jasper)、イエロージャスパー(黄碧玉/yellow jasper)などがあります。 ジャスパー(jasper)
  • ブラッドストーン(血石-けつせき/血碧玉-けつへきぎょく)  ジャスパーとは、碧玉のうち斑点状に赤色が混じっているものを指します。ヘリオトロープとも。 ブラッドストーン(bloodstone)
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