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タンザナイト

 宝石の内「タンザナイト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

タンザナイトの組成

タンザナイトの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
  • 結晶系:斜方晶系
  • 色:青-青紫
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5
  • 比重:3.3
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タンザナイトの特徴

 タンザナイトはゾイサイト(灰簾石-かいれんせき)の中で、青~青紫色を有するものを指します。
 石言葉は「高貴」・「冷静」で12月の誕生石の一つです。
 ゾイサイト(灰簾石)とはケイ酸塩鉱物の一種で、マンガンを含むものをチューライト(thulite、桃簾石)、バナジウムを含むものをタンザナイト(tanzanite)と呼び分けます。

タンザナイトの多色性

 タンザナイトには多色性(たしきせい)という特徴があり、見る角度や光の環境によって青色や紫色が強くなる宝石です。一般的に多色性が強く、濃い紫、濃い青が出るものほど宝石としての価値が上がります。
 原石状態のタンザナイトは赤茶色をしているため、宝石用加熱器で550~700度まで加熱することで、特徴的なブルー系統の色を出します。ほとんどのタンザナイトが熱処理を受けているため、この人工処理が価格に影響を及ぼすことはありません。

タンザナイトの発見から命名まで

 タンザナイトの発見は1967年にまで遡ります。
 タンザニアのアルーシャに暮らしていたマニュエル・ド・ソーザという金採掘人は、ある日アルーシャから南東へ40キロほど行ったメレラニ鉱山で、鮮やかな青色をした透明なかけらを発見しました。
 最初はペリドット(peridot)だろうと考えましたが、すぐに違う鉱物だとわかり、取り急ぎ「デュモルティエライト」(dumortierite)だろうと踏んでいました。
 程なくしてソーザはその鉱物を、ナイロビに本拠地を置いて活動していた宝石商・ジョン・ソールに見せます。ソールはマサチューセッツ工科大学の博士号を持ち、後にケニヤのツァボ地区でルビーの巨大堆積層を発見する人物です。彼はこの鉱物が新種であるとにらみ、さっそくニューヨークに住む父親・ハイマン・ソールに送りました。
 ハイマンはそのサンプルをGIA(Gemological Institute of Americe)に持参したところ、ゾイサイトの一種であることが判明し、ようやく新種の鉱物であることが確認されました。
 当初は「ブルーゾイサイト」という味気ないネーミングでしたが、宝飾業界の巨頭「Tiffamy & Co.」がこの鉱物に目をつけ、名前を「タンザナイト」と改めました。「ゾイサイト」という音が、英語で「自殺」を意味する「スワサイド」(suicide)に似ているため嫌忌されたという逸話も残っています。

巨大なタンザナイト

世界最大のタンザナイトの一つ「Queen of Kilimanjaro」  最も有名な巨大タンザナイトの1つとして、およそ242カラットもある「Queen of Kilimanjaro」があります。
 タンザナイトは衝撃に弱いため、通常はイヤリングやネックレスに加工されますが、この「Queen of Kilimanjaro」はティアラ(王冠を小さくしたような宝飾品)として加工さた極めて珍しい例です。
 803個のツァボライト、及び913個のダイヤモンドをちりばめられたこのティアラは現在、カナダ・トロントの王立オンタリオ博物館に展示されています。
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タンザナイトの動画

 以下でご紹介するのはルースのタンザナイト動画です。前者のスペックはエメラルドカット/9.6 x 7.6 x 5.1mm/3.35カラット、後者はアンティーク・クッションカット/12 x 11 x 8 mm /8.39カラットです。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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