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ジェード

 宝石の内「ジェード」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

ジェードの組成

ジェードの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:ジェダイト、及びネフライトを参照
  • 結晶系:単斜晶系
  • 色:多様
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:5.5-7
  • 比重:3-3.3
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ジェードの特徴

 ジェード(和名は翡翠-ひすい)は、様々な色を持つ半透明な宝石の一種です。
 化学組成の違いから「硬玉」(こうぎょく/ヒスイ輝石/ジェダイト)と「軟玉」(なんぎょく/透閃石-緑閃石系角閃石/ネフライト)に分かれます。
 両者はまったく別種の変成岩ですが、外観が極めて似ているため長らく「ジェード」(翡翠)と総称されてきた歴史があり、両者が別種であることが分かったのは19世紀に入ってからでした。

ジェードの歴史

 ジェードを用いた人工物の歴史は古く、先史時代の遺跡からも多数発掘されています。
 古代メソアメリカ文明においては、エメラルドグリーンで半透明のものが最も珍重されていました。代表格は「quetzal」(ケツァール-中南米産の尾の長い鳥)と呼ばれる明るい緑色のジェードです。また、ビルマ(現ミャンマー)においては「king fisher」(カワセミ)という鮮緑色のジェードが有名です。
 中国においては、コータン王国(シルクロード南端)から中国王朝に対し、細かい造形を施された白いジェードが貢物として贈られたという記録があります。また、アヘンを吸引するパイプとして加工されたりもしましたが、これは「翡翠を通して煙を吸うと長生きできる」という迷信に基づくものでした。中国におけるジェードは西洋における金やダイヤモンドのような存在で、身分の高い人物や王室関係者の墓には好んでジェードが用いられたと言います。こうした歴史があるため、今日の中国においてもジェードは珍重されており、特に「マトンファット」(羊脂玉-やんしーゆー)と呼ばれるクリーム色のネフライトは非常に高値で取引されます。
 インドのジャイナ教寺院では、ジャイナ教の改組であるマハーヴィーラ(Mahavira)の1.5mもある彫刻が存在し、これは単一のジェードから作られた世界最大の人工物となっています。

ジェードの語源

 英名である「ジェード」(Jade)の語源は、スペイン語の「piedra de ijada」(腹痛の石の意)が、フランス語に移入して「pierre de l'e jade」と変化し、これが英語に入り「Jade」となったとされています。
 和名である「翡翠」とは、中国では元々カワセミ(鳥の一種)を指す言葉でした。これは、翡翠のうち白地に緑色と緋色が混じる石の色合いが、カワセミの羽の色に似ていることからつけられたと考えられています。

ジェードの種類

 ジェード(翡翠)は深緑以外にも、半透明、白、桃、薄紫(ラベンダー)、青、黒、黄、橙、赤橙といった様々な色があり、大きく分けて、15色程度と言われています。
 また色合いや外観を改善するために人工処理を施されることも多いようで、「ABCトリートメント」と呼ばれる特別な分類もあります。
ジェードのABC
  • TypeAのジェード  表面のワックスがけのみで、何ら人工処理を受けていない状態
  • TypeBのジェード  科学漂白、もしくは樹脂などに浸したもの。赤外線による特殊な検査で処理の痕跡が分かる
  • TypeCのジェード  人工的に着色されたり模様を付されたもの
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ジェードの動画

 以下でご紹介するのは、新疆ウイグル地区産・通称「羊脂玉」(やんゆーしー)と呼ばれる白いネフライトの画像集です。
元動画は⇒こちら
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