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ジルコン

 宝石の内「ジルコン」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

ジルコンの組成

ジルコンの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:ZrSiO4
  • 結晶系:正方晶系
  • 色:褐色、だいだい、緑
  • 光沢:金剛光沢
  • モース硬度:7.5
  • 比重:4.7
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ジルコンの特徴

 ジルコン(和名はヒヤシンス鉱)はジルコニウム(zirconium)を含むケイ酸塩鉱物の一種です。
 火成岩中に微小な結晶として広く存在し、砂岩などの堆積岩(たいせきがん)に含まれる場合は特に「ジルコンサンド」などと呼ばれることもあります。
 通常は0.1~0.3mm程度の小さな粒として存在しますが、ペグマタイト中で成長したジルコンは、時に数cmにまで及ぶことがあります。
 ジルコン内のジルコニウムは他の原子と置き換わることがよくあり、ハフニウムは常時1~4%程度含まれるとも言われています。ハフニウムが多い場合は「ハフノン」(hafnon)、トリウム(thorium)が多い場合は「トライト」(thorite)と呼ばれます。
 ジルコン(ヒヤシンス鉱)の主な産地はオーストラリア、ロシア、イタリアのベスビウス山、ノルウェー、スリランカ、インド、インドネシアなど世界中に散っています。中でもオーストラリアが最も多くのジルコンを産出しており、世界産出量の約37%を占めています。

ジルコンの色

 ジルコン(ヒヤシンス鉱)の色は多様で、無色、黄金色、茶、赤、青、グリーンなどがあります。中でも無色のものは ダイヤモンドと同じ金剛光沢を有していることから、古くより代用品として用いられており、「マチュラダイヤモンド」(Matura diamond)というフォルスネームも有しています。
 加えられる熱の量によって青、黄金色、無色のジルコンを人工的に作り出すことも可能です。

ジルコンの語源

 ジルコン(ヒヤシンス鉱)の名はドイツ語の「zirkon」に由来しています。この語は元々明るい色のジルコンを指す言葉でした。
 黄色いジルコンは特に「ハイアシンス」(hyacinth)と呼ばれますが、これは花のヒヤシンスの学名「hyacinthus」からとられています。

ジルコンの使途

 ジルコン(ヒヤシンス鉱)は主として陶磁器産業の乳白剤として用いられる一方、放射性年代測定の進歩に大きく貢献してきました。ジルコンは少量のウラン、及びソリウムを含むため、特殊な分析装置を用いると、その年代を測定することが出来るのです。
 ジルコンはまた、侵食、移動、変性等の地質学的な変化に耐えうることが出来るため、時として数十億年前の地球環境を知る上での重要なデータを提供することもあります。
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ジルコンの動画

 以下でご紹介するのは、6.6カラット、カンプチア人民共和国(現在のカンボジア)産、ブルージルコンの映像です。
 2本目のは、タンザニア産、10.56カラット、バリオンエメラルドカットのインペリアル・ジルコン動画です。「インペリアル」という名称は、非常によく似た色を持つ「インペリアル・トパーズ」からきています。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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