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スポジュメン

 宝石の内「スポジュメン」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

スポジュメンの組成

スポジュメンの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:LiAlSi2O6
  • 結晶系:単斜晶系
  • 色:無色、桃、黄、緑など
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5-7
  • 比重:3.16-3.20
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スポジュメンの特徴

 スポジュメン(和名はリシア輝石-りしあきせき)とは、リチウムとアルミニウムを含むケイ酸塩鉱物の一種です。
 低温環境で結晶化すると単斜晶系、高温環境で結晶化すると正方晶系を形成し、その境目はおおよそ摂氏900度と考えられています。
 工業的にはリチウム資源として重視されており、セラミックス、携帯電話、自動車のバッテリー、医療分野などでの応用が期待されています。スポジュメンから精製されるリチウムは、年間80,000トンに及び、主として西オーストラリア、中国、チリで採掘されたものが原料として利用されます。
 なお、スポジュメンの名は、ギリシア語の「spodumenos」(燃えて灰になる)に由来していますが、これは工業利用するために生成したスポジュメンの外観が灰色だからです。

スポジュメンの産地

 スポジュメンが最初に発見されたのは1800年、スウェーデンにおいてでした。その後アメリカのサウスダコタ・ブラックヒルズでは、なんと14.3メートルにも及ぶ巨大な結晶が発見されたという記録があります。
 現在の主な産地はブラジル、アメリカ(ノースカロライナ州・カリフォルニア州)、マダガスカル、アフガニスタン、パキスタン、オーストラリア、カナダ(ケベック州)などです。

スポジュメンの色

 美しい色のスポジュメン(リシア輝石)は、カットされて宝石に加工されますが、内部のアルミニウム原子が不純物と置き換わることにより、それ以外色を示します。
 例えば、マンガンイオンと置き換わると桃色(クンツァイト/kunzite)、クロムイオンと置き換わると緑色(ヒデナイト/hiddenite)を示します。また、未知のメカニズムを通して黄色(トリフェーン/triphane)を発色したり、キャッツアイ効果(シャトヤンシー)を示すものもあります。
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スポジュメンの動画

 以下でご紹介するのは代表的なスポジュメン三態を示す動画です。上からクンツァイト(桃色)、ヒデナイト(緑色)、トリフェーン(黄色)と並んでいます。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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