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ルチル

 宝石の内「ルチル」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

ルチルの組成

ルチルの外観写真
  • 分類:酸化鉱物
  • 組成:TiO2
  • 結晶系:正方晶系
  • 色:赤褐色、金黄色
  • 光沢:金剛光沢
  • モース硬度:6-6.5
  • 比重:4.2
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ルチルの特徴

 ルチル(和名は金紅石-きんこうせき)は、二酸化チタンの結晶の一種です。
 名は、ラテン語で「金紅色」を意味する「rutilus」に由来しています。
 化学成分は同じで結晶構造が異なる、いわゆる「同質異像」(どうしついぞう)の鉱物としては、鋭錐石(えいすいせき-アナテース)、板チタン石(ブルカイト)などが有名です。
 ルチルは高温・高圧下で生成された変成岩や火成岩の随伴鉱物としてよく見られ、また巨大な結晶は、主にペグマタイト、スカルン、そして特に変質花崗岩で多く採取されます。
 ルチル(金紅石)の針状結晶が石英(水晶)の中に入った場合は、針入り水晶などと呼ばれることもあり、 また、ルビーサファイアの中に入り込んだルチルの結晶は、反射光が星状に広がって見えるスター効果を生み出します。

ルチルの使途

 人工のルチルは無色透明で極めて高い屈折率をもち、また光沢はダイヤモンドと同じ「金剛光沢」であることから、ダイヤモンドの代用品として利用されることがあります。1948年から生産が開始された「Titania」(ティタニア)がその代表格です。
 また工業的には、塗料として耐火セラミック繊維、そしてチタン製品の原料としてを利用されます。細かく粉末化されたルチルは明るい白を示すため、塗料、プラスチック、紙など、鮮やかな白色が求められるような製品に混ぜて用いられることが多いようです。また、ナノサイズまで細かくしたのルチル粒子は紫外線吸収力が強いため、いわゆるUVカットの日焼け止め製品などにも利用されています。

ルチルの産地

 ルチルの最大の産地は、西アフリカのシエラレオネ共和国です。2005年、同国のルチル産出量は世界シェアの23%を占めており、さらに2008年にはその値が30%まで上昇しました。貯蔵量は、259万トン程度であろうと推測されています。
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ルチルの動画

 以下でご紹介するのはルチルの動画集です。前者はクリスタルの中に入り込んだ針状結晶、後者はルチルそのものの結晶です。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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