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パイロープ

 宝石の内「パイロープ」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

パイロープの組成

パイロープの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:Mg3Al2(SiO4)3
  • 結晶系:等軸晶系
  • 色:全色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5-7.5
  • 比重:3.1-4.3
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パイロープの特徴

 パイロープ(和名は苦礬柘榴石-くばんざくろいし)はマグネシウムとアルミニウムを含むガーネットの亜種です。
 パイロープはたいていの場合、カルシウム、クロム、鉄、マンガンなどの不純物を含んでいます。また、同じくガーネットの亜種であるアルマンディンと交じり合っているケースもあり、半貴石として扱われる「ロードライト」(rhodolite)は、パイロープが70%、残りがアルマンディンと言う構成です。

パイロープの語源

 パイロープは、ガーネットグループの中で常に赤色を示す唯一の亜種です。このことから、ギリシア語で「火の目」を表す語が名前の由来となっています。
 非常に多くの別称やフォルスネームを持ち、「クロムパイロープ」(Chrome Pyrope)と「ボヘミアンガーネット」(Bohemian Garnet)がその代表格です。その他の別称・誤称としては コロラドルビー(Colorado ruby)、アリゾナルビー(Arizona ruby)、カリフォルニアルビー(California ruby)、ロッキーマウンテンルビー(Rocky Mountain ruby)、エリールビー(Elie Ruby)、ボヘミアンカーバンクル(Bohemian carbuncle)、ケープルビー(Cape ruby)などがあります。

パイロープの起源

 パイロープが採れる場所としては、西アルプスに存在するドラマイラ断層が有名です。この断層では、直径12センチにも及ぶパイロープの結晶が産出されます。
 通常は地球のマントル中に存在するかんらん岩などに存在していますが、超高圧環境下でも生成されます。
 ダイヤモンドと共に発見されるパイロープは、多くの場合3~8%ほど「Cr2O3」という組成を持ち、特徴的なすみれ色~深紫色を示します。このため、ダイヤモンドを多く含むキンバレー岩を発見する際の目印として利用されることもあります。
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パイロープの動画

 以下でご紹介するのはパイロープのサンプル動画です。ザンビア産、4.48カラットで、ドイツの「Ravenstein Germany」がカッティングを担当しました。
元動画は⇒こちら
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