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ガーネット

 宝石の内「ガーネット」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

ガーネットの組成

ガーネットの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:A3B2(SiO4)3
  • 結晶系:等軸晶系
  • 色:全色
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5-7.5
  • 比重:3.1-4.3
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ガーネットの特徴

 ガーネット(和名は柘榴石/石榴石-ざくろいし)はケイ酸塩鉱物(ネソ珪酸塩鉱物)に属する鉱物です。透明度の高い赤、橙(だいだい)、黄、緑のものは宝石として使用され、丸く磨き上げられたものは「カーバンクル」と呼ばれます。
 主な産地は、スリランカ・アフリカ・マダガスカルなどで、石言葉は「真実・友愛」、1月の誕生石に指定されています。

ガーネットの色

 ガーネット(柘榴石)は赤、オレンジ、黄色、緑、紫、青、茶色、黒、ピンク、そして無色など、実に様々な色合いを有しています。
 中でも希少なのが青のガーネットです。1990年代後半、マダガスカルのベキリー鉱山で発見されているほか、アメリカ、ロシア、トルコなどでも発見の報告があります。この青色のガーネットは、日光の下では青緑色ですが、蛍光灯などの人工灯の下では紫色に変化します。この現象は、内部に比較的豊富に含まれているバナジウムが原因と考えられます。アレキサンドライトに非常に似た変色効果を発揮することから「カラーチェンジガーネット」と呼ばれ、コレクター間では人気です。

ガーネットの使途

 ガーネット(柘榴石)は、青銅器時代から宝飾品や研磨材として利用されてきました。
 粒子の細かい柘榴石は、比較的安価にかつ大量に採掘でき、また硬度が高い(モース硬度6.5~7.5)ことから、今の時代においても紙やすりなどに利用されます。
 ガーネットと言う名前の由来には諸説ありますが、ラテン語の「granatus」からきているのではないかと考えられています。この「granatus」という語は「Punica granatum」 、つまり現代の言葉では「pomegranate」(ザクロ)を表しますが、ザクロの種が大きさや形においてガーネットの結晶にそっくりだったために転用されたと考えられます。
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ガーネットの種類

 ガーネット(柘榴石)は内部に含む成分により、様々なサブカテゴリに枝分かれします。大別すると、アルミニウムを含むグループである「パイラルスパイト」(pyralspite)と、カルシウムを含む「ウグランダイト」(ugrandite)に分けられます。

パイラルスパイト(pyralspite)

 「パイラルスパイト」(pyralspite)は、内部にアルミニウムを含むガーネットの亜種です。さらに以下のように細分されます。
パイラルスパイトの分類
  • アルマンディン(Almandine/鉄礬柘榴石)  アルマンディンは、鉄とアルミニウムを含むガーネットの一種で、時としてアルマンダイト(almandite)と呼ばれることもあります。組成はFe3Al2(SiO4)3です。 アルマンディン(almandine)
  • パイロープ(Pyrope/苦礬柘榴石)  パイロープはガーネットグループの中で、常に赤色を示す唯一の亜種で、純粋なパイロープの組成はMg3Al2(SiO4)3です。 パイロープ(pyrope)
  • スペッサルティン(Spessartine/満礬柘榴石)  スペッサルティンは、かつてはスペッサルタイト(spessartite)と呼ばれていた鉱物で、組成はMn(II)3Al2(SiO4)3 となります。 スペッサルティン(spessartine)

ウグランダイト(ugrandite)

 「ウグランダイト」(ugrandite)は、内部にカルシウムを含むガーネットの亜種です。さらに以下のように細分されます。
ウグランダイトの分類
  • アンドラダイト(Andradite/灰鉄柘榴石)  アンドラダイト(灰鉄柘榴石)はその和名が示すとおり、カルシウムと鉄を含むガーネットのことで、組成はCa3Fe2(SiO4)3となります。 アンドラダイト(andradite)
  • グロッシュラー(Grossular/灰礬柘榴石)  グロッシュラーは別名グロッシュラライト(grossularite)ともいい、組成はCa3Al2(SiO4)3です。 グロッシュラー(grossular)
  • ウヴァロヴァイト(Uvarovite/灰クロム柘榴石)  ウヴァロヴァイト(ウバロバイト/Uvarovite)はクロムを含むガーネットの亜種で、組成はCa3Cr2Si3O12です。 ウバロバイト(uvarovite)
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ガーネットの動画

 以下でご紹介するのは光源の種類によって色を変化させる通称「カラーチェンジ・ガーネット」の動画です。自然光の元では淡い黄色ですが、人工灯の元では鮮紅色を示します。
元動画は⇒こちら
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