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カーネリアン

 宝石の内「カーネリアン」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

カーネリアンの組成

カーネリアンの外観写真
  • 分類:酸化鉱物
  • 組成:SiO2
  • 結晶系:三方晶系(低温型)/六方晶系(高温型)
  • 色:赤、だいだい
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:6.5-7
  • 比重:2.61
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カーネリアンの特徴

 カーネリアン(和名は紅玉髄-べにぎょくずい)は、カルセドニー(玉髄)いう鉱物の中で、内部に含まれる鉄イオンにより赤色や橙色を示し、なおかつ網目模様がないものを指します。
 カルセドニー(玉髄)とは石英(せきえい)の非常に細かい結晶が網目状に集まり、緻密に固まった鉱物の変種を指し、美しいものは宝石として扱われます。含まれる不純物によって様々な色になり、その色あいによって「紅玉髄」のように呼称が変わります。
 カーネリアン(紅玉髄)の石言葉は「勇気・友情」で、ルビーと共に7月の誕生石とされており、また、4月27日の誕生日石にも定められています。

カーネリアンの色

 カーネリアン(紅玉髄)の色のバリエーションは広く、薄オレンジ~黒に近いものまで様々です。
 似た宝石として「サード」(sard)があり、両者はしばしば同一のものとして混同されますが、カーネリアンはオレンジ~赤茶で硬度が柔らかいのに対し、サードは深紅~赤黒で硬度が硬いという特徴があります。ただし明確な数値が設定されているわけではありませんので、両者の区分はあいまいです。

カーネリアンの語源

 カーネリアン(carnelian)と言う名は、ラテン語の「caro carnis」から来ており、これは「肉体」を表す語です。また、カーネリアンに近似した「サード」(sard)という宝石の名は、大プリニウス(1世紀ごろ古代ローマで活躍した博物学者)によると、リディアにあった「Sardis」という都市の名に由来しているということですが、ペルシア語で黄色味がかった赤を表す「sered」に由来しているという説もあります。

カーネリアンの歴史

 メヘルガル(Mehrgarh/紀元前7000年-紀元前2500年頃の新石器時代の遺跡で、現在のパキスタン、バローチスターン州に位置している)においては、バウドリル(弓張錐)を用いて穴を開けたカーネリアンが発掘されています。また、青銅器時代のクレタ島・クノッソス宮殿では、装飾品として加工されたカーネリアンが見つかっており、およそ紀元前1800年頃のものと推定されています。古代ローマ時代には蝋印のためのシールリング(蝋に押し付けて印鑑の代わりとするもの)として利用されていたようですが、これはカーネリアンが融けた蝋に付着しないと言う性質を利用したものです。
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カーネリアンの動画

 以下でご紹介するのは、最も古い人類の集落跡地であるパキスタンのメヘルガル遺跡(Mehrgarh)で発掘された遺物のギャラリーです。冒頭でカーネリアンと思われる石が登場します。
元動画は⇒こちら
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