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カルサイト

 宝石の内「カルサイト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

カルサイトの組成

カルサイトの外観写真
  • 分類:炭酸塩鉱物
  • 組成:CaCO3
  • 結晶系:三方晶系
  • 色:無色、白、薄黄
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:3
  • 比重:2.7
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カルサイトの特徴

 カルサイト(方解石-ほうかいせき)は、炭酸塩鉱物の一種です。
 石灰岩の主要成分で、鉱石として扱われる場合は「石灰石」(せっかいせき/limestone)と呼ばれます。結晶質石灰岩では、カルサイト(方解石)の細かな結晶が大きくなり、美しいものは「大理石」(だいりせき/marble)と呼ばれ、石材として利用されます。
 組成が同じで結晶形が違う「同質異形」(どうしついけい)鉱物は、霰石(あられいし/aragonite)とバテライト(ファーテル石/vaterite)です。
 報告されている中で最も巨大なカルサイトの結晶は、アイスランドで発見された縦7m×横7m×高さ2mのもの、および縦6m×横6m×高さ3mのもので、重さは共に250トンと伝えられています。

カルサイトの色

カルサイトの持つ複屈折現象(Double Refraction)  カルサイト(方解石)は通常白~無色ですが、内部の不純物によって赤、緑、茶、黒など様々な色合いを見せることがあります。特に無色透明のものは、主な産地がアイスランドであることから「アイスランドスパー」(氷州石-ひょうしゅうせき/Iceland Spar)と呼ばれ珍重されます。
 「複屈折」(入射した光を複数の方向へ同時に反射する性質)をもつことで有名で、透明な結晶を通して物を見ると、対象物が二重になって見えます。この現象は早くも1669年に、デンマークの科学者ラスムス・バートリンによって報告されています。

カルサイトの成分

 カルサイトは海洋生物の外殻の主成分であり、プランクトンの一部、紅藻、海綿、腕足動物、ヒトデ、ウニ、ナマコなどの棘皮(きょくひ)動物、カキを始めとする二枚貝の殻の一部を構成しています。
 世界中の堆積岩のうち、およそ10%が石灰石からなるといわれていますが、石灰石の大部分は死んだ海洋生物の死骸から形成されます。ですから、「生物の体内にあったカルサイトが、現存する堆積岩の10%を構成している」と言い換えることもできます。
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カルサイトの動画

 以下でご紹介するのはカルサイトの持つ複屈折現象をとらえた映像です。英語では「Double Refraction」、もしくは「Birefringence」という表現が当てられます。
 2本目の動画は、アメリカ・ワシントンD.C.にある「National Portrait Gallery」における大理石彫刻ギャラリーです。
元動画は⇒こちら
元動画は⇒こちら
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