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アンダルサイト

 宝石の内「アンダルサイト」について、組成・特徴・歴史・産地などを写真や動画を交えて解説します。

アンダルサイトの組成

アンダルサイトの外観写真
  • 分類:ケイ酸塩鉱物
  • 組成:Al2SiO5
  • 結晶系:斜方晶系
  • 色:白、赤、灰など
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7.5
  • 比重:3.16-3.2
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アンダルサイトの特徴

 アンダルサイト(和名は紅柱石-こうちゅうせき)は、ケイ酸塩鉱物の一種です。名前は、1789年にスペイン・アンダルシア州で発見されたことに由来しています。
 アンダルサイト(紅柱石)は泥質岩(でいしつがん)から形成された変成岩やペグマタイトなどから産出され、変質して白雲母(しろうんも)になっているものもあります。低温・低圧では安定した結晶形を維持するのが特徴です。主な産地はブラジルやスリランカで、透明度が高くて美しいものは宝石として扱われます。
アンダルサイトの亜種「キャストライト」(chiastolite)  アンダルサイトの亜種としては「キャストライト」(Chiastolite)がありますが、この鉱物の最大の特徴はチェスボードのような縞模様です。この模様は内部に含まれる炭素や粘土によって作り出されます。
 ファセット(宝石表面の小面)を付けられたアンダルサイトは、遊色効果を思わせるような赤、緑、黄色の色合いを見せることがあります。これはアンダルサイトのもつ並外れた多色性(たしきせい)のなせる業です。ちなみに「多色性」とは、1方向から入った光が宝石内部で複数の光に分裂し、見る角度によって色が変わって見える現象のことを指します。
 アンダルサイト(紅柱石)と同一の化学組成をもつ鉱物としては藍晶石(らんしょうせき/カイヤナイト/Kyanite)と珪線石(けいせんせき/シリマナイト/Sillimanite)があり、これらは組成は同じでも結晶の形が違うという「同質異像」(どうしついぞう)の関係にあります。これらの鉱物はそれぞれ違った圧力と温度の元で生成されるため、同じ場所で同時に採掘されることはまれです。また、元の岩石が長い歴史の中で辿ってきた地中の温度や圧力の軌跡をたどる際には、これら三つの鉱物が重要な手がかりとなってくれます。
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アンダルサイトの動画

 以下でご紹介するのはアンダルサイトのもつ多色性を示す動画です。当てる光の種類によって色合いを変化させるアレクサンドライトとは違い、見る角度によって違った色に見える「遊色効果」が特徴です。
元動画は⇒こちら
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